久しぶりに、爆睡してしまった。目覚ましも電話にも気付かぬまま、九時間くらい寝た。
でも、疲れがとれていない。途中何度も起きた。きっと、小学校の音楽の授業のせいだ。

僕の家の目の前には、小学校がある。ついでに幼稚園もある。だから、昼間は子供の声が鳴り止まない。昼間起きている時は良いのだが、寝ている時の子供の叫び声や、テンポやキーのずれている音楽の授業、学校内放送で流れる変な音楽、先生の声はカオスだ。中学校や高校のときに学校で寝ていて何度も先生や、生徒の話し声や、校内放送によって起こされた経験から、無意識に起きてしまうのかもしれない。あと、母親の声は絶対に起きるな。これは染み付いたものだ。

寝て起きた瞬間、何故だか中学一年生の時の音楽の先生、「ロケットおっぱい 大月先生」を思い出してしまった。マドンナ的扱いであった大月先生は、確かに可愛く、年齢も若い。なお且つ年上のお姉さんと言った雰囲気も兼ね備えていた。そして、テポドンばりのロケットおっぱいを保有していた。友が音楽の授業中ずっとスピッツの『とんがり'95』をうたっていたのを思い出した。若さ故か、他のクラスの生徒にはなめられていたらしく、よく泣く先生でも有名であった。今の僕と年齢的にはほとんど変わらない先生。たて笛を吹く姿がまぶしかった。
そんな彼女も中二になる前に、他のマンモス中学へと転任してしまった。そこに通っていた、友人に、大月先生の事を訪ねたが、先生の総数も半端ないらしく、知らないと言っていた。お山の大将だったのか、はたまた、巨大な山の中に埋もれてしまったのか、それは僕には解らない。
ただ、友人がロケットおっぱいを顔に押し付けられながら、メロディオン(ピアニカ)を教わっていたのがうらやましかっただけだ。
今となっては、彼女も三十歳を超えているだろうし、もう家庭を持っていて、教師としては引退しているだろう。そして、年齢とともにロケットおっぱいも不発弾となってしまっているのであろうか。
あ~、青春の不純。